何かを始めるとき、そこに確信は必要なのだろうか。
「スポーツには、社会を変える力がある。」その言葉を、何度も目にしてきた。けれど、それが本当かどうか、自分たちの手で確かめたことは、一度もなかった。
このメディアは、その確かめの記録として始まる。
私たちが届けたいのは、試合の結果や記録の先にあるものだ。競い合うことが終わったあとに、誰かと誰かが、少しずつつながり直していく過程。その一つひとつを、丁寧に見ていきたい。
競争は、人を熱くする。それは否定しない。ただ、競争そのものが誰かの暮らしを変えた瞬間を、私たちはまだ十分には見つけられていない。だから「競争から、共創へ」という言葉を、宣言ではなく仮説として掲げてみることにした。
正しいかどうかは、まだわからない。答えを急がず、知っていることも、知らないことも、同じ姿勢で書いていきたい。
この創刊号も、答えから始まらない。最初の記事は、一つの問いにすぎない。読み終えても、結論はたぶん出てこない。
それでいい、と思っている。問いを抱えたまま、ページをめくってもらえたら十分だ。
本当に、何かを変えていけるのだろうか。
この創刊号は、 その問いから始まる。
ようこそ、この記録のはじまりへ。
まずは、 一緒に確かめてもらえたらうれしい。
SIM 編集長


